豪華客船で暮らすクルーズ船クルーの洗濯物&クリーニングに関するひみつ
クルーズ船のクルーは船内で何か月も生活します。食事はMess(メス)とよばれる食堂でします。部屋の掃除は、ポジションによっては定期的に担当者が掃除してくれます。
(そうでなければ部屋は自分で掃除しなければなりません。)では洗濯はどのようにしているのでしょうか?
クリーニングサービス
クルーズ船内には、本格的なクリーニング設備を備えた、Laundry(ランドリー)と呼ばれるクリーニング室があります。テーブルクロスやナプキン、医療用のリネンや布類のクリーニングから、ゲストやクルーの衣類のクリーニングやドライクリーニングまで、船内全ての衣類やリネンのクリーニングを行います。
ランドリーではLaundry Man(ランドリーマン)達が働いています。なぜかどのクルーズ会社でも彼らのユニフォームは決まってのTシャツに白の長ズボンです。
クルー達のユニフォームや勤務で着る私服はこのランドリーにてクリーニングをしてもらえます(普通のクリーニング、ドライクリーニングではない)。
会社によって決まりはあると思いますが、いつでも自由に持って行って良いという場合もありますし、クリーニングに出せる曜日と仕上がりを受け取れる曜日ががDepartment(部署)ごとに決められている場合が多いです。
この決まりは会社によっても異なりますし、ポジションによっても異なります。
クリーニングの出し方は基本的には2通りあります。
船やポジションによっては指定の曜日に服をランドリーに持って行き、フォームに記入して服と一緒に出す場合か、部屋掃除の人が持って行ってくれて、仕上がったら持ってきてくれる場合があります。
自分で持って行かなければいけないのか、部屋掃除のひとが持って行ってくれるのかなどは、ポジションでよって決まりますが、基準は会社によって異なります。
また、クルーズ会社によっては、仕事で着ないプライベートの私服のクリーニングも行っている場合があります。課金制の場合と、ポジションによっては、一週間に一定枚数まで無料の場合である場合があります。
ランドリー
また、船内には、通常Laundrette(ランドレット)やCrew Laundry(クルーランドリー)と呼ばれる洗濯機と乾燥機が置いてあるコインランドリーのような部屋があります。
洗濯機と乾燥機を使用するのにお金を払う必要はありませんが、台数に限りがあり、しかも、なぜかどの船でも、いつも1,2台は故障中で使えないことが多いので、洗濯・乾燥機は常に争奪戦でした。
このランドレットは会社によって、24時間使用可能であることもありますし、使用可能な時間が限られていることもあります。
因みに私が最初に働いた船ではクルー600人に対して、洗濯・乾燥機6台、ずつしかなく、そのうちそれぞれ2,3台故障しており、さらにランドレットを使える時間が6:00-23:00と限られていたため、洗濯するのに3時間以上かかるころとも珍しくはありませんでした。
なにせ、洗濯するために、まず、洗濯機が空くの待たなければなりません。→そして洗濯が終わるのを待ち、→その後、乾燥機が空くのを再び待つ→乾燥が終わるのを待つと待って待って待たなければならないので、ランドレットの近くにはいつも洗濯/乾燥待ちもしくは洗濯機待ちの人がたむろしていたり、卓球したりしていました。
一方、別の会社では、クルー800人くらいに対して、洗濯・乾燥機が8台ずつで故障無し(半分くらい故障しているときもありましたが)ランドレットは24時間使用可能でしたので、タイミングを見計らえば待たずに洗濯・乾燥機を使用することができました。
洗濯は争奪戦!自分の服は自分で守れ!
洗濯後、乾燥中、乾燥後、自分がその場に居ないと勝手に服を外に出されることがあります。特に、混んでいるときは要注意です。
乾燥途中に取り出すのはどうかと思いますが、例えば、洗濯・乾燥機が800人に対て8台しか無いことを考えれば、洗濯・乾燥が終わった後の衣類が機械を占領していることほど迷惑な事は無いので、みんなわりと躊躇無く洗濯・乾燥が終わっても回収されない衣類を取り出しています。
私はなるべく混んでいない時間を選んだり、ランドレットの中で洗濯・乾燥が終わるのを待つようにしていました。
洗濯・乾燥機を使うより効率的だったので、ある船に乗っていたある時期は全て手洗いしたり、洗濯だけ洗濯機で行って、部屋干しすることもありました。
船は乾燥しているので、洗濯物は意外にすぐ乾きます。部屋の乾燥対策にもなって一石二鳥です。
船上生活おすすめの洗濯用具
家から持って行ってよかったものは、S時フックと100均で買った8ピンチのステンレス製の洗濯物干しハンガーです。
ちなみにハンガーは船で大量に手に入るので持っていく必要はありません。
洗剤は、洗剤と柔軟剤が一緒になったキューブタイプのものがオススメです。保管の場所も取らないし、持ち運びも楽です。
私は、お気に入りの服は手洗いしたい派なので、手洗用の日本から持って行ったおしゃれ着洗いと、現地購入したキューブタイプの柔軟剤入り洗剤を使っていました。
海外で、おしゃれ着洗剤を見つけることができなかったので、日本から持って行っていました。
洗濯にかかる労力は地上にいるときの数倍の気がします。一家に一台洗濯機があるってなんてすばらしいことなのかと、実感しました。でもユニフォームの洗濯については考えなくて良いのは楽でよかったです。