クルーズ船で働く-豪華客船のクルー生活あれこれ-

クルーズ船クルーの生活やクルーズ船での職探し、採用〜乗船に至るまでのことや、転職活動やその他諸々に関して体験に基づいた感想や意見を書いています。DMはTwitterで受け付けています→船ガール

クルーズ船英会話 クルーしか知らないクルーズ船スラング、Banana(バナナ)ってどういう意味?!

f:id:racheal-grolia:20200715171405j:plain

 

クルーズ船のクルー達の間では無数のスラングが使われています。今回の記事ではもっとも有名なクルーズ船スラング の一つ「バナナ」について書いています。

スラングとは?

スラング(英: slang)は、. ・俗語の英訳。改まった場面で用いられない品のない言葉で、広く知られている言葉も含む。 ・特定のエスニック集団、職業、年代、生活環境、生活様式、趣味、嗜好を共通にする集団の中でのみ通用する隠語、略語、俗語のこと。

Wikipediaより

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B0 

クルーズ船でのスラング

クルーズ船のクルー達の間にあるスラングは、船やクルーズ会社、言葉を超えて、共通して使われるものもありますし、一つの船や一つの会社でのみ認知されているものもあります。

Banana(バナナ)

クルー達がよく使うスラングのひとつがBanana(バナナ)です。皆さんご存じのあのバナナです。

例文を見てみましょう。

①I got banana today.

②My boss gave us banana.

③I think I will receive banana.

 

通常の意味で直訳すると、

①今日、バナナを手に入れました。

②ボスは私たちにバナナをくれました。

③私は、バナナを受け取ると思います。

 

クルーズ船のクルー達はバナナが大好きなのでしょうか?

そうではありません。

クルーズ船内のクルー達にとってBanana(バナナ)とは、「灸を据えられること」を意味します。

私たちクルーにとってBanana(バナナ)はありがたくないものなのです。

 

ふたたび先ほどの英文を意訳してみましょう。

①I got banana today.

(今日、怒られちゃったよ。)

②My boss gave us banana.

(私たちはボスから怒られた。)

③I think I will receive banana.

(多分怒られると思う。)

という使い方をします。

また、比較的に信頼関係があったり、仲がいい人に注意をする場合、

I will give you banana.

I have to give you banana.

と言い、「話があるんだけど。(注意しなければならないことがあります)」

という意味になります。

だれかに、I have to give you banana.と言われたら、「何かやらかしたっけ?!」と条件反射的に考えてしまいます。

 

また、とんでもない失敗をやらかして、こっぴどく怒られたときには、バナナは大きくなります。

I got big banana.

(めっちゃ怒られたよ。)

What a mess he made!! I will give him big banana.

(あいつ、とんでもないことやらかしてくれたな!!覚えとけ!)

 

さらに最上級もあります。

何かとてつもない失敗をやらかして、代償を払ったとき、かなりこっぴどく怒られたとき、バナナはさらに大きくなり、”Huge banana”となります。

I got late for work many times last contract and I recieved huge banana.

(前回のコントラクトで何回も遅刻して、エライ目に遭ったよ。)

She keeps making same mistake,I think I do have to give her huge banana.

(彼女は同じミスばかり繰り返すから、そろそろ厳しく指導しないといけないな。)

 

banana>Big banana>Huge banana

バナナの大きさは、厳しさの程度に比例します。もちろんどのくらいがBigなのか、Hugeなのかは、個人の感じ方によります。

He gives me banana because I go to bathroom too often during work.

(仕事中にトイレ行きすぎだって言われたよ。)

個人的な感覚ではこんな風に、Bananaはちょっと注意された程度でも使用しています。

 

Bananaを使ったジョーク

友達や同僚に「I will give you banana!(話があるんだけど。)」真面目な顔をして突然言います。

相手はもちろん

「Why?(なんで?)Did I do something? What did I do?(え、何かした?)」

と問い返します。

そのタイミングで本物のバナナを差し出します。

まあ、陳腐であんまり面白くはないのですが、それでも場は和みます。

 

まとめ

クルーズ船で話される英語には海事用語やスラングなどクルーズ船独特のものが多くあります。

クルーズ船クルーが意味するBananaは甘くて黄色いたべものではなく、「熱い灸を据えられること」です。私たちクルーはこのBananaを避けつつ日々働いています。

もし、店頭でバナナを見かけたら、バナナにはこんな意味もあるのかと思い出してみてください。

因みに文中の()の中の中の意訳は私が使うときや言われたときに受け取るときの感覚です。