クルーズ船で働く-豪華客船のクルー生活あれこれ-

クルーズ船クルーの生活やクルーズ船での職探し、採用〜乗船に至るまでのことや、転職活動やその他諸々に関して体験に基づいた感想や意見を書いています。DMはTwitterで受け付けています→船ガール

クルーズ船で働くと生活は毎日修学旅行気分?! クルー生活は集団生活。キャビンインスペクションって何?

f:id:racheal-grolia:20200710234956j:plain


クルーズ船で働くということは、船に住むということです。

船での生活は集団生活で、決まり事も多く、学校もしくは軍隊なみに管理されることもあります。

今日はそんなShip Life(船上生活)での決まり事の一つをご紹介します。

キャビンインスペクションとは?

クルーはキャビンと呼ばれる部屋に住んでいます。通常2~4人部屋で役職者は一人部屋です。定期的にCabin Inspection(キャビンインスペクション)という部屋の点検があります。

頻度はクルーズ会社によって異なりますが、(多分)法律で決められているので、どの船でも行われます。

キャビンインスペクションでは、担当者が各キャビンに立ち入り、所持禁止であるものが部屋にないか、部屋が清潔かつ整頓されているかなどを確認します。

部屋が散らかっていたり、また汚れていたりした場合は上司やHR(人事課)時には、スタッフキャプテンやキャプテンに報告され、運が悪ければボスに怒られます(というかせいぜい小言を言われる程度ですが。)運がよければ何も言われません。

まあ、会社や船、ボスによります。一番いいのは引っかからないことです。

また、所持禁止であるものが見つかった場合、モノは没収され、所持していたモノによってはViolation(バイオレーション)という違反切符的なものを切られたり、場合によってはクビになります。

キャビンに持ち込んではいけないものとは?

どのクルーズ会社どの船にも、何をキャビンに持ち込んでいいか、何を持ち込んではいけないか明文化されたルールがあります。大抵はキャビンのどこかに貼ってありますが一度も読んだことはありませんw

読んだことはありませんが、知っています。いろんなところで言われまくるので、覚えようとしなくても覚えます。

安全を損なう恐れがあるもの

主に、電気系統のモノ、延長コード、イルミネーションなどがこれにあたります。見つかれば没収され、コントラクト(契約)が終わって下船する日になるまで返してもらえません。クリスマス用のイルミネーションのを没収された人たちがいました。

規定の量を超えたお酒類

キャビンに持ち込んでいいお酒の量は決められています。これはクルーズ会社によって異なります。キャビンにお酒を持ち込んではいけない、という会社もありましたし、ワインなら一人一本(つまりキャビンに2本まで可)かつ、セキュリティのサインがなければならない。ビールはひとり6本までと詳細に決められています。

規定を超えた量のお酒を持っていた場合は没収されます。

サイン無しワインを持っていて、ワインを没収された人がいました。

余談ですが、クルーが船内に持ち込めるお酒はビールとワインのみで、船の外から帰って来るときに荷物検査をされ、それ以外のお酒を持っていた場合その場で没収され、コントラクトを終えて帰る日まで返してもらえません。

まそういったモノを持ち込むいろいろ裏技はあるんですけどね。

食べ物

食べ物も、キャビンで所持していいもの、してはいけないモノが決められています。

細かい決まりについてはクルーズ会社に寄りますが、基本的には

 生ものや、果物、乳製品は所持してはいけないことになっています。また、Mess(メス)と呼ばれる食堂やもちろんレストランの食べ物もキャビンに持ち込んではいけない決まりになっています。

まあ、といっても。。。抜け道は多いです。

違法なモノ

主にみつかる違法なモノは、マリファナやコカインなどのドラッグです。とくに、国によってはマリファナは合法で簡単に手に入るので、土産物屋などで知らずに購入してしまう場合もあるようです。

運ぶ目的で所持しているクルーも少なからずいて、摘発されてクビになっているケースも見られます。

基本的に違法なモノは外から船に帰って来るときにスクリーニングされるはずなのですが、そこをうまくすり抜けてキャビンに隠している人たちもいるようです。

船の備品

船の備品もキャビンに所持していた場合、よくて没収、悪くてバイオレーションやクビになります。

一番多いのは食器類、フォーク、スプーン、皿、グラス、カップです。それから、機材

や文房具などの備品も含まれます。また、客室の備品(タオルやトイレタリー)が見つかった場合はクビになるかバイオレーションをもらいます。

キャビンインスペクションへの準備

頻度やタイミングはクルーズ会社によって違いますが、定期インスペクションの事前に告知されるので、備えることができます。

具体的には

ゴミ箱を空にする

ベッドメイキングしてライフジャケットをベッドの上にのせる

部屋の掃除

見つかったらやばいモノを隠す。(主にフルーツ、ハム、チーズ、規定量を超えたお酒、食器)

インスペクションが始まる直前に部屋から脱出!

部屋から脱出する理由として、部屋にいると引き出しや棚を開けさせられる可能性があるからです。クルーが部屋にいなければ勝手に開けてはいけないのですが、クルーが部屋にいる場合は開けさせることができるからです。

つまり、基本的に、見つかったらやばいモノは引き出しや棚に隠せばOK!

この辺の決まりは会社によって違うので、あくまで私がいる会社ではそうだという話です。

因みに私の超裏技ですが、散らかった服は全てベッドに並べ、その上に掛け布団をかぶせ、見つかったらやばいモノは引き出しや棚に隠し、ゴミを捨て忘れたときはゴミ箱も隠す。5分で準備完了です

抜き打ちインスペクション

定期インスペクションの他に抜き打ちインスペクションがあります。

これは、クルーが違法なモノを持っている疑いがある場合、ゲストやクルーが高価なものを紛失し、報告した場合、関係者のキャビンが抜き打ちでインスペクションされます。

言葉を換えると強制捜査ともいえるでしょう。

この強制捜査では、部屋の隅から隅まで見られ、荷物も棚も全て開けられます。クルーには口出しする余地はありません。

私はされたことはありませんが、友人によると、かなりいやな気持ちになるそうです。

 しかし、実際にこれで、ドラッグが見つかってクビになったクルーもいるので、もしキャビンメイトがやばいヤツだったら。。。と考えると、他人ごとじゃないなと思います。

余談

わたしの会社ではキャビンインスペクションは朝にあります。シフトが昼からの時にはまあ、なんともありがたくないスケジュールです。

ある日、キャビンメイトと2人、寝起きでくつろいでいるときに、近くからノックの音がきこえ、インスペクションであることを忘れていたことにきづきました。

ナイトシフトのサインがあれば、インスペクションは免除になるのですが、私はたまたま、ナイトシフトを数日前に終えたばかりで、ナイトシフトのサインを持っていたのですが、ドアからは外していました。

隙をついて、ナイトシフトのサインをドアに貼った結果、インスペクションはとばされたのですが、最終的にナイトシフトのサインを乱用したことがボスにバレ、怒られたことがあります。

悪いことはできませんね。

まとめ

クルーズ船での生活は集団生活であるゆえ、規則も多いです。

定期的にキャビンを検査されるキャビンインスペクションなるものがります。

基本的に部屋をちらかさず清潔に生活し、所持禁止なものを持っていなければ大丈夫ですが、最終的には全て棚や引き出しに隠せばなんとかなる。。。ハズ

昼シフトのときのインスペクションが大嫌いです。クルーズ船で働いてみると、想像以上に学校的な要素が多くて驚くこともたくさんありますが、それも含めて良い経験になります。

 

キャビンでの生活についてはこちらの記事をご覧ください!!!

racheal-grolia.hatenablog.com