海外クルーズ船で話される言葉。クルーズ船内の言語事情
海外のクルーズ船の公用語は英語ですが、それだけでなくさまざまな言葉が話されています。今回はクルーズ船では英語の他にどのような言葉が話されているのかご紹介します。
船内公用語としての英語
ほとんどの海外クルーズ船は共通語を英語と定めています。
海外クルーズ船で働くための最低必須条件は英語の読み書きができることです。
寿司を握る腕がよすぎて、どうしても働いてほしいから、英語話せなくても働いてほしいと言われて、英語が話せないのにクルーズ船で働き始めた人を一人知っていますが、
例外を除いて、海外のクルーズ船で働くためには、英語力が必須です。
多くの場合、求人も英語ででいますし、採用面接も英語で、採用後のやりとりも全て英語で、勤務中ももちろ全て英語です。
クルーズ会社によっては英語使用の規定がとても厳しく、仕事中クルー同士で英語以外の言語を話すとペナルティーをもらうそうです。
余談ですが、長年クルーズ船で働くと、英語の訛りでその人の出身地が特定できるようになります。
クルーズの運営会社の国の言葉
公用語は英語であっても、クルーズ会社の国によっては、英語よりもクルーズ会社の国の言葉が多く使われている場合もあります。
イタリア系ならイタリア語、中国系なら中国語、ドイツ系ならドイツ語などです。
英語以外にそのクルーズ会社がある国の言語を話すことができるならば、採用の可能性が高まるかもしれません。
また、英語の他に興味のある言語がある場合は、学びたい言語の国のクルーズ会社で働いてみるのも良いかもしれません。多くのクルーズ船は、英語さえ話せれば働くことができるので、船で働きながら第二外国語を学ぶことも可能でしょう。
私が働いていたあるイタリア系のクルーズ会社の船ではイタリア人の割合が多く、イタリア人以外でもイタリア語を話せる人はイタリア語を使っていました。
余談ですが、イタリア系のクルーズ船で働いているときは、ミーティングでイタリア語を話されるのが一番困りました。そして意見を求められる。いや、イタリア語わからん。
その船のブリッジ(操舵室)に "Once you are into bridge,you have to only use ENGLISH "(ブリッジに入ったら英語のみを使用すること) という張り紙があったのですが、みんなガン無視でイタリア語喋ってました。
クルーズ会社がある国の言葉が必然的に第2共通語のようになってしまうようです。
個人的な感覚ですが、イタリア系の船に乗っているときは、あまり英語は上達しませんでした。その代わり、食べ物の名前以外のイタリア語は少し覚えました。(覚えようとしていないのに勝手に覚えました。)
反対に、アメリカのクルーズ会社で働き始めてから、英語はとても上達しました。
その他の隠れ共通語
タガログ語&ヒンドゥー語
船によって異なりますが、どのクルーズ会社でもどの船でも、人口割合のトップ2はフィリピン人とインド人です。
フィリピン人が話すのがタガログ語、インド人が話すのがヒンドゥー語です。クルーズ船によっては、一つの部署のほとんどがフィリピン人とインド人で構成されていることもあり、レストランやハウスキーピングで働くと聞こえてくるのはタガログ語ばっかり…というのはよく聞く話です。
レストランで働いている友人が、彼らが自国の言葉でばっかり喋るから全船会話がわからないと嘆いていましたが、数ヶ月語なんとなく理解できるようになってきたと言っていました。
まとめ
海外のクルーズ船の共通語は基本的に英語である場合が多いけれど、クルーズ船の運行会社の言葉が実質的な第二共通語化していることも珍しくないです。そこを基準に働く船を選んでみてもいいかもしれません。
フィリピン人とインド人はほとんどのクルーズ船の人口割合のトップ2を占めているので、タガログ語とヒンドゥー語はよく耳にする言語です。
クルーもしくは乗客として乗船された際にはクルー達がどんな言葉をしゃべっているのか耳を傾けてみるのも楽しいかもしれません。