豪華客船、クルーズ船のクルーしかしらないクルーキャビンでの生活
クルーズ船のキャビンでの生活
クルーズ船で働くということは、船に住むということですが、船に住むといっても、ゲストと同じような豪華な部屋ではありません。
私たちクルーは「Crew Cabin(クルーキャビン)」と呼ばれる船室に住んでおり、上級役職者を除くほとんどのクルーのキャビンは下層に位置しています。
キャビンでは、普通に地上で生活していたら体験できない経験をたくさんします。
今回はキャビン生活がどんなものであるかをお伝えしようと思います。
これからクルーズ船で働くという方、どんな生活が待っているのか不安な方の参考にしていただけたらと思います。
キャビンの中は真っ暗!常に深夜のよう
ほとんんどのクルーキャビンは船の内側にあり、当然窓もありません。つまり鉄で囲まれているので、全ての明かりを消すと真っ暗です。本当に何も見えません。本当の真っ暗というのを始めて経験しました。
夜寝ても、昼寝をしても、朝起きても部屋の雰囲気は深夜です。電灯以外の明かりがないため朝起きるのが一層辛くなります。朝日は体のリズムを整える効果があるので朝日無しでの早起きは結構ツライです。
私は船に乗っているとき、中々スッキリ起きることができなくなるのが悩みの種です。また、昼寝で爆睡した後は、起きたときに一瞬昼か夜か混乱することがあります。
いろんな騒音が聞こえてくる
船は常に動いているので何かしらの音がどこからか聞こえます。また集団生活なので隣人達の生活音も聞こえてきます。
特にクルーキャビンは客室と異なり揺れや騒音の対策、配慮はほぼされていません。
聞こえてくる騒音原因は様々。
機械音
船は24時間かどうし、いろんなところに様々な機械が配置されているので、ジーとかゴォォォーとかカチャカチャとか聞こえてきます。特に部屋が船首付近であれば、アンカーがあるMooring Deckからの音がよく聞こえてきます。
「ドーン!!!」
何の音でしょう。これは船が波にど突かれる音 です。波が高い時に聞くことができます。「ドーン」という一見軽自動車が何かに衝突したような音に聞こえます。キャビンが船首かつ、丁度水面付近だった場合聞こえてきます。
最初はビックリしましたが、慣れたらどってことないです。むしろ聞こえないと寂しくなるくらいです。
隣人、廊下からの騒音
壁も薄いので話し声やらパーティ音やらBGMやら簡単に聞こえてきます。スピーカーで爆音で音楽聴く人も結構いるので、ご近所トラブルがあったりなかったりします。。。
個人的にビビったのは、キャビンメイトが寝ているのに、友達を呼んでスピーカー使って爆音で音楽かけてパーティーをしている人らがいることです。
しかも彼らは遠慮は一切していません。悪いとも思っていなさそうです。
それで、トラブルに発展するケースもありますし、全然気にしない人もいます。日本だったら絶対あり得ないこういうカオスな状況は個人的に嫌いじゃないです。
そういうカオスなところが船の良いところでもあり悪いところでもあると思っています。
ルームメイトによる騒音
一部のポジションのクルー以外のほとんどの クルーのキャビンは基本的に2~4人部屋です。私たちクルーは、国も文化も年齢も違う人と6畳くらいのワンルームを2人でシェアしいるのです。(3,4人部屋の場合はもっと広い)
当然、騒音の認知レベルが違うと結構ストレスになります。それが原因で起こるトラブルも多々あります。勤務時間や生活時間が異なればなおさらです。
私は騒音や明かりは気にならない派なので、同じく気にならない派なルームメイトと暮らすときはいいのですが、反対に音や明かりに敏感で、気にするタイプのルームメイトと暮らすと気を遣うのでストレスを感じます。
○○○の音が聞こえてくる。。。。
ルームメイトだったり、隣人だったり。冗談じゃなく。。。。私はまだ聞いたことありませんが。。。。 みんな元気ですね。
何の音かはご想像がつくかと思います。
ルームメイトがボーイフレンド/ガールフレンドを毎日連れ込んできて。。。。という話はあるあるです。
迷惑だったらきちんと迷惑だと伝えましょう。
船での生活では、いろんな騒音が聞こえてくるのですが、そのうち騒音も気にならないくらい疲れてぐっすり眠れるようになるのでご心配無く。(笑)
船内はとても乾燥している
船内は機械だらけなので、常にクーラーが効いています。冬でもクーラーがないと暑いくらい、機械から熱が出ているのです。
常にクーラーが効いているのでものすごく乾燥しています。初めて船に乗る人は、喉から風邪を引くことがよくあります。
私も、最初の頃は、よく喉が痛くなったり、喉から風邪引いたりしていたのですが、暖かい飲み物で水分補給をこまめに行うと風邪を引きにくくなりました。
それから、肌と髪への対策は必須!!!乾燥が半端ないので、スキンケアやヘアケアには地上にいるときの倍以上気を遣います。
私はいつも持って行く荷物の3分の1くらいがスキン・ヘアケア対策のものになってしまいます。
船上生活のいいところ
船上生活のネガティブな事ばかり伝えてきましたが、いいことだってあります。
昼寝はがっつりできる
船の大きさにもよりますが職場からは徒歩(当たり前)2〜10分でキャビンに戻れるため休憩中にベッドで寝ることができます。船内の多くの職種が中抜けシフト(朝働いて、昼に3時間以上の休憩、夕方から夜にかけてまた働くシフト) なので、休憩を寝て過ごす人も多いです。
お昼でも部屋の中は真っ暗なので、グッスリ寝ることができます。
特に お昼ご飯の後にお昼寝が出来るのはかなり嬉しいです!
通勤がない!
通勤というものがありませんのでギリギリまで寝ることができます。寝坊してもなんとか間に合います。最悪10分前に起きても間に合います。
キャビンの掃除は誰かがしてくれる!
ポジションによっては無いこともありますが、ポジションのランクが真ん中以上であれば、部屋の掃除、シーツ、タオルの交換とトイレットペーパーの補充はハウスキーピングのスタッフがしてくれます。
頻度はクルーズ会社のルールによって異なります。毎日掃除がある場合もありますし、ポジションのランクによって週に何回と決められている場合もあります。
まとめ
国も文化も言葉も年齢も違う大勢の人々が一緒に暮らす船という特殊な環境下で生活するのは、地上での生活とはかなり異なり、容易ではありませんが、慣れたら癖になります。
個人的には、通勤が嫌いなので、通勤がないのがありがたいです。
自前の薄手の毛布を持って行ってから睡眠の質が上がりました。これからクルーズ船で働かれるという方、毛布は自前がオススメです。(現地で購入するのもありです。)
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